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特集は『自然災害時の「備え」を考える』。大災害時に配慮の必要な人が助かるか、否か。切羽詰まった喫緊の課題に対する意義深い知恵が学…

日本で地震など大災害が頻発している現状を踏まえ、主に東日本大震災、熊本地震の事例をもとに支援機関の立場、難病・障害者、支援者の立場から、現状、課題、提案がなされていて、これら様々な立場の人などの寄稿から、車イスユーザーである自分自身の考えも深まりました。
 

私は、東日本大震災後半年のときに福島を訪れ、自立生活センターの当事者スタッフから、震災時に助かるためには、普段からの近所づきあいが大事だと教わり、それに衝撃を受けたのを覚えています。
本書でも、普段からの地域コミュニケーションが大事だと多くの執筆者が書いています。

もちろん、災害時要援護者リストを作成している自治体は増えていますが、顔の知らない人よりも顔の見える関係が、当事者を安心に導くのです。
近々起こるとされている南海トラフ地震。私たちが助かるためには、「備え」が必要なのです。

『ノーマライゼーション 障害者の福祉9月号』公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会発行

 
[執筆者]
太田啓子

[プロフィール]
立命館大学 衣笠総合研究機構 客員研究員。博士(学術)。専門は、障害者福祉、障害学。「職業訓練における指導員のジレンマ-職リハの取り組みを通して」横須賀 俊司, 松岡 克尚編著『障害者ソーシャルワークへのアプローチ―その構築と実践におけるジレンマ―』など執筆。