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国指定の難病、シャルコー・マリー・トゥース病を患い、障害をもちながら地域生活する中で、よく思うことなどについて綴っています。電子…

2018年があけました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

ヘルプオンヘルプでコラム『続いっぽいっぽ』を書かせてもらって、今回で早14号目となる。月1更新なので、いつの間にか1年以上。この間、更新を楽しみにしてくれる友人知人も何人かできて、感想をもらえるのがいまの私の大きな励みとなっている。
このコラムでは、私の病気シャルコー・マリー・トゥース病にまつわる思いや生活の工夫なんかを書いてきた。リアルな障害者の生活体験を、普段障害者と出会うことの少ない多くの人にもぜひ知ってもらいたいからだ。
普段の生活の中で障害者と出会うことがない、だからいざ出会ってしまったときにどう声をかけたらいいかわからない、とはよく聞くのだけれど、そんなに身構えることなく気負いもしていなければ、たまたま気づいた隣にいる人が障害者で、その人がなにか困っている様子ならば、「大丈夫?」と普通に言葉が出てくるのではないだろうか、と思っている。無理に考えて出す言葉より、自然に口をついて出てくる言葉のほうがよっぽど相手に伝わりやすい。

未知のものに対して、私たちはとかく身構えたり気負ってしまったりすることがある。私も初めてのことには不安で、イメージトレーニングを何度もしてからでないと、新しい一歩が踏み出せない。躊躇してしまって、結果的にできなかったということも多かった。誰かと一緒ならさておき、一人でとなると不安は一気に高まり身構えてしまうものだ。
2017年は、新しいことの経験ずくめで、身構えてやっとの思いで一歩踏み出す、なんていうことも多かったから、結果的には楽しく充実していたけれど、とにかく緊張しっぱなしの、気のはった1年だった。

2018年はもう少し気楽に、初めて(久しぶりに)経験することでも不安に思うより、経験それ自体に楽しさを味わえる年にしようと思っているところである。こんなことをしてみたかった、こんな人たちに会いたかった、こんなところに行きたかったと思ったら躊躇なく行動しよう。
いまのように比較的自由に動ける間にやっておかないと、チャンスを逃しかねなくなってしまう。「チャンスは1回」私が長い間、大切にしてきた持論である。同じような経験をしている難病の友達とも「来年の目標は、いまやりたいことはいまやろう!」と、昨年末に話していたところだった。彼女たちとの会話は、私を本当に勇気づけてくれる。
今月、私がこのサイトで執筆したブックレビュー、日野原重明氏の『生きていくあなたへ』では、未知の経験は新たな自分との出会いだと記されていた。無理せず自然体でボチボチ、新しい自分との出会いを楽しめる1年にしたい。

[執筆者]
太田 啓子

[プロフィール]
シャルコー・マリー・トゥース病という難病により、車イスユーザーの障害当事者。現在は、仕事をしながら趣味を満喫しつつ、地域生活をしています。好きなことは、食べることときれいな景色を眺めてぼーっとすること。