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15年前にスタートした「ケアする人のケア」の研究事業。立ち上げ当初に出会った二人がそれぞれの気づきや成長を語り合うコラム。アイディ…

現場の声を活かして
奈良の森口弘美さんへ
こんにちは。北海道の中村です。

森口さんにコラムをいただいたのは梅雨の時期でした。
あっという間に真夏となってしまいました。
ここ最近は北海道も真夏日(最高気温30度超え)が何日も続きます。避暑に来られた方々も暑くてビックリされているようです。

こいのぼりとても素敵でした。森口家のオリジナリティも出ていて(笑)。制作セットには見本はあるのですが、皆さん作っていく過程で工夫をしたり思わぬアクシデント(左右逆に貼ってしまった)などでそのグループにしかできない作品に仕上がります。それがまた楽しい。

「ケアする人のケア」事業を進めていく中で私が言った事がいかされていたとは驚きました。「ケアする人が癒され、支持され、力を発揮できる事」・・・そのようなことを言ったのですね、私。

私が働いているのは高齢者介護の分野ですが高齢の方は気力体力ともになだらかな下降線をたどります。ケアによって現状を維持できればと思いますが5年10年でみていくと当たり前ですができないことも増えていきます。高齢者ケアではケアの結果をケアする人が目に見えて実感することが難しい気がします。
マイナス面が良く見えてしまう、自己評価が低い人がケア分野で働く人に多い気がしていました。そこでスタッフが出来ていること、出来たことを声に出して本人に伝えることをしていたのです。
「もっと言ってください」「支持されると元気が出る」と言われました。ケアする人の話をよく聞いて(傾聴)、出来ていることを伝える。「ケアする人を癒し、支持する」ここまではスタッフ同士で助け合える部分でした。課題はこの後、「力を発揮する」のところでした。このお話の続きはまた次の機会に。

森口さんからいただいたバトン。制作アクティビティをやろうと思った一言についてお話しますね。
あるグループホームの管理者の方が「日常生活ケアに毎日追われてしまって、利用者さんと何かを作ったりレクリエーションがしたくてもできないのが悩みです。」と話されていました。
デイサービスはレクリエーションを提供することが仕事ですが、グループホームは日常生活動作を一緒に行う事が主体です。レクリエーションを行う地盤が整っていないのも当然です。またレクリエーションは介護スタッフにとっても難しい業務の一つです。


「制作アクティビティ 8月の壁絵 花火」

その言葉で「そうか!糊とハサミがあればできる制作材料セットがあればどのような施設でもアクティビティができる。」と気がついたわけです。

レクリエーションとアクティビティ。私達はあえてアクティビティを使っています。

レクリエーション:
仕事や勉強の疲れを癒すための活動や娯楽・休養や気晴らし
アクティビティ:
活動・作業・活気・リゾートなのでの様々な遊び

レクリエーションはリフレッシュする意味合いが大きく、アクティビティは日常生活に取り込める活動ととらえました。日常生活にアート活動を取り入れたい!との思いでアクティビティを使うことにしたのです。

私も森口さんにお聞きしたい事が。私事で(転職や結婚など)ケアする人のケア活動に参加できなくなって、その間研修会やブックレットなどでセルフケアノートや感情労働など気になるキーワードが出てきていました。その頃の活動について教えていただければと思います。特に感情労働というワードは特徴的ですね。よろしくお願いします。

【執筆者】
中村明子