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15年前にスタートした「ケアする人のケア」の研究事業。立ち上げ当初に出会った二人がそれぞれの気づきや成長を語り合うコラム。人と関わ…

奈良の森口さんへ

 

今年の北海道は秋が足早です。

木々も急ぎ足で色づき気温もどんどん下がっていて近年にない寒い秋です。でも紅葉がとても綺麗で毎日楽しんでいます。

奈良はいかがでしょうか?

 

森口さんのコラム興味深く読ませていただきました。

「ケアする人のケア」の中で私が主に講演やセミナーを聴いていたのが「ケアの仕事をする人のケア」でした。自分がケア職として働いていた事が大きな理由です。

「ケア」も含め人と関わる仕事の一番の魅力は、「感情」がダイナミックに揺さぶられる事なのではないかと最近感じます。

以前は「感情が揺さぶられない様に平常心でいたい」「何事にも大きくぶれない強い心を持ちたい」と思っていました。ある方の強い言動や感情、思いもよらない現実に向き合った時に自分の未熟さやむき出しになってしまう感情に戸惑ってしまう事がしばしばありました。その時「私はこんなことを感じてしまうのだ」「こんな価値観を持っていたのだ」と自分の思わぬ内面に驚いてしまいます。それがネガティブな感情が多いために、落ち込んでいくことにもなるのですが。

「アートアクティビティ ぶどうの壁絵」

このコラム原稿を書いている時に職場で久々に大きな出来事があり、まさに「自分自身の感情が大きく揺れる」状態となりました(驚)。

考えもしなかった拒絶にあい、驚きとショックと自分への情けなさと、自身の仕事の進め方が良くなかったのか他の方法があったのかと負の感情で一杯になりました。でも自分の考えや思いをしっかり伝え続けることで、受け入れがあり許しがあり協力がありあたたかい支援の手もあり、その出来事は治まる方向に向かっています。

感情が大きく揺すぶられる事は自分自身の再構築のチャンスであり、自分の周りにどの位の支えがあるのかも気づくとても大事な出来事ではないかと感じました。

自身の再構築の助けとなるのが「セルフケア」であり、「周囲の人の支え」なのかもしれませんね。「セルフケアの方法」を持っているのか。周りに支持してくれる人自分の思いを傾聴してくれる人がいるか。この2つがあれば大きくマイナスに揺れ動いた感情もプラスに戻せるのではないでしょうか。周囲の支えの中にケアの楽しさ豊さを共有できる仲間がいることも重要だと感じます。

 

このように考えを整理できるのも「ケアする人のケア」でいろいろな概念を自分の中に取り込んでいたからだと思います。森口さんのコラムにあった「ケア」の重要性や価値、豊さを社会全体に伝えることは私も大切だと感じます。「ケアする人のケア」研究がその役割を続けていってくれる事を望んでやみません。ケアする人に様々な概念や考え方を伝えていって欲しいです。

 

「ケアする人のケア」では「セルフケア」も取り上げられていたキーワードでしたね。

自分の再構築の助けとなるのが「セルフケア」ではないかと書きましたが、この「セルフケア」について森口さん、思うところなどありましたら次回お聞かせください。

 

とりとめのないコラムとなってしまいました。お許しください。

こちらはそろそろ初雪です。奈良も冷え込みが厳しくなる頃でしょうか。秋から冬への季節替わり。温かくして乗り切りましょう(笑)。

 

札幌市 中村明子