障害受容は、ステージ理論が一般的に言われてきましたが、南雲さんはこの一律的な解釈にずっと異を唱えてきました。それが「社会受容」という考え方でした。
障害受容は自覚の病理だけに焦点をあてるのではなく、関係性の病理を重視しなければ「その人」の生き方そのものまで見失ってしまうと南雲さんは述べています。
 
 

 
 
人は、様々な関係性の中で生きていますが、それは障害者でも同じ。健常者との関係、介助者との関係、家族との関係、恋人との関係・・・そしてもちろん障害者同士の関係もあります。
とりわけ、「遠慮」を軸に、南雲さんは本書の中で障害者同士、ピアの関係性の良さを強調しています。
「比較的価値から絶対的価値への転換」「社会の中での自分の役割をピアとの関係を通して見出す」

障害者が自身の生き方に迷ったら、読みたい一冊です。

『ものいうからだ 身体障害の心理学』南雲直二著 株式会社講談社より発売中

[執筆者]
太田 啓子

[プロフィール]
立命館大学 衣笠総合研究機構 客員研究員。博士(学術)。専門は、障害者福祉、障害学。「職業訓練における指導員のジレンマ-職リハの取り組みを通して」横須賀 俊司, 松岡 克尚編著『障害者ソーシャルワークへのアプローチ―その構築と実践におけるジレンマ―』など執筆。