国指定の難病、シャルコー・マリー・トゥース病を患い、障害をもちながら地域生活する中で、よく思うことなどについて綴っています。電子…
昨年秋から訪問リハビリを受けている。これまでは毎月京都までリハビリに通っていたのだけれど、弱い足の力を代償するため肩回りがすごくはっているのと年がら年中手足が冷えていて特に冬場は相当な冷えを毎年経験しているから、なんとかならないものかと担当の相談支援員さんに相談したところ、利用者さんからも評判のいい訪問看護ステーションのリハビリを紹介してくれたのだ。他のところでリハビリに行っていても医師の意見書さえあれば、訪問リハも受けられるらしい。いくつも訪問リハの事業所は地域にあるけれど、日頃から信頼している担当の相談支援員さんに紹介してもらってまずは安心納得。彼女は福祉職としてはベテランで、地域のことも私のことも知り尽くしているから、いつもベストな事業所や人を私に提案してくれる。
いま、週に1回、決まった女性PTさんが来てくれている。年齢が近いこともあってセラピーを受けている間中、プライベートな話や地域の情報などのおしゃべり、病気の悩みまで聞いてくれて、意外と楽しく癒しの時間となっている。体質改善のために私が始めた夜ヨーグルトを先生も習慣的に食べるようになったり、私が好きなアーティストの話をすればYouTubeで見てきて翌週感想を言ってくれたり、フィードバックが早いのも嬉しい。
私の病気はシャルコー・マリー・トゥース病で、手足の先っぽにいくほど筋肉はなくなり痩せている。これは典型的な病気の症状だ。数年前に筋電図検査をやったときは、どれだけ電圧をあげてもすでに伝導波形はほとんどでなかったし、人より神経の数が半分しかないと衝撃的な事実も知らされた。そりゃ冷えるわけだ。特に今年の冬は寒さが厳しく、普段の冷え性に拍車がかかった毎日を送った。販売されたばかりのウルトラヒートテックぐらいじゃおっつかない!
リハビリでは代償してはっている身体の部位をゆるめてもらい、手足のマッサージでずいぶん身体は温まり楽になる。そして、苦手だけれど安全に動くためにとても必要な腹筋運動。(ほぼほぼできないに等しいけれど)足の筋トレも一応している。京都でのリハビリに比べればかなり緩いのに、続けているからか最初より力が出てしっかりしてきた、と最近言われるようになった。
身体的なリハビリだけでなく、訪問リハはその人の家に来るわけだから、普段の生活の様子を見て聞いていろいろなアドバイスもくれる。毎週変わったことはないか、心配なことはないか確認をしてもらっているし、リハビリのない日に心配なことがあって事業所に電話すると、都合をつけて見にもきてくれる。地域の事業所ならではだ。
また昨年秋ごろ、私は激やせをしていたので体重を増やすために「食べる」ことに必死になっていたが、それまで食べられなかったものが突然、それもたくさん食べられるようになるわけがない。食品以外からも簡単にカロリーが取れるようにと、医療現場で使われるカロリー補助食品のサンプルをたくさんもってきてくれた。
いまの私の活動量を維持するために、生活上の様々な工夫ぐらいでは足りず、こうした身体のケアも真剣に考えないといけなくなってきた。
3月になって突然暖かくなり、春は目前に迫っている。身体が動きやすくなったので、この春はどこに行こうか、誰に会おうかと最近ワクワクしながら予定をたてている。
[執筆者]
太田 啓子
[プロフィール]
シャルコー・マリー・トゥース病という難病により、車イスユーザーの障害当事者。現在は、仕事をしながら趣味を満喫しつつ、地域生活をしています。好きなことは、食べることときれいな景色を眺めてぼーっとすること。