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15年前にスタートした「ケアする人のケア」の研究事業。立ち上げ当初に出会った二人がそれぞれの気づきや成長を語り合うコラム。手探りの…

中村さんからのキーワード
北海道の中村明子さんへ
こんにちは。奈良の森口です。

奈良は、今年は雨の少ない梅雨になるかもしれません。
北海道はしばらく前に「例年になく雨が多い6月」と耳にしましたが、札幌のほうはいかがですか。

さてさて、完成しました!我が家のこいのぼり!

4月末から5月にかけて、ちょうどリビングから上る階段の壁に貼ったので、カラフルなこいのぼり3匹に家族を見守ってもらいました。

物つくりは、自分が没頭する時間になったり、人とのコミュニケーション(私の場合は子供たちとのふれあい)になったりと、いろんな可能性がありますね。「アートや物つくりを福祉の現場で生かす」という中村さんたちの企てには大きな可能性があると思います。何より、やっている人たち自身が楽しんでいるのがいいですね。これこそまさにセルフケア!

中村さんのコラムを読んで、私も中村さんと出会ったころのことを思い出していました。本当に試行錯誤で「ケアする人のケア」プロジェクトをスタートしたころでした。
私も実はそれまで障害者福祉の現場でスタッフとして働いていたのですが、日々の仕事の「正解のなさ」に疲弊していました。結局私もセルフケアができていなかったのですね。

その頃にたんぽぽの家で始まった「ケアする人のケア」の事業は、私にぴったりのテーマだったわけですが、「ケアする人のケア調査研究事業」といっても当初は何をどのように調査し研究したら良いのか全くわかりませんでした。とりわけ、その頃すでに対人援助のフィールドで知られるようになっていた「バーンアウト」や「ストレスマネジメント」へと傾斜しがちで混乱していたように思います。

そんなころに中村さんと出会い、中村さんの口からそれは素敵なキーワードが出てきました。

それが、
「ケアする人が癒され、支持され、力を発揮できること」
でした。

この言葉をきいたとき、「そうだ!私たちはこれを目指せばいいんだ!」と、まさに光明を見出した思いでした。
その後、このキーワードを何度も使わせてもらいました。ブックレットや報告書、研究集会の趣旨文などにも。中村さんには本当に救ってもらいました(笑)。


(撮影:森口哲也)

さて、ここで再び中村さんにバトンタッチですが、前回のコラム2に書いておられたように、黙々と(ちゃっかり楽しみつつ!)制作アクティビティを続けてこられた中村さんたちが、グループホームの方の一言で次のステージに進まれるのでしょうか。その後の経緯を楽しみにしています。

あわせて、「アートアクティビティ」というネーミングの意味を教えていただけませんか。「アクティビティ」というのは決して珍しい単語ではありませんが、あまり障害者福祉の分野では使わない言葉です。このあたりも教えていただけると嬉しいです。

【執筆者】
森口弘美