中村さんがケアの仕事を通して見つけた宝物とは? 一見マイナスに見えることも、捉え方で180°変わってしまいます!
奈良の森口さんへ 北海道の中村です。 立春も雨水も過ぎたのにまだ寒い北海道です。年末に胃が痛くなり、生活習慣病健診でも異常なく、ヨガの先生に「お腹が冷えている」と言われて腹巻を使い始めました。 すると不思議なことに風邪をひいていません。雪解けは「水っぽい寒さ」になりますが腹巻で対抗しようと思います。 とんぼ玉のフェイスブックを紹介していただきありがとうございます。 構想10年、活動を始めて3年が過ぎようとしています。「継続は力なり」の言葉の通り、続けたことは様々な関係を生み出してくれています。とにかく続けることが切だと実感しています。
4月の壁絵「おぼろ月夜」 森口さんの「理不尽さ」がバーンアウトのひとつの引き金になるのではというコラム大変興味深かったです。 確かに理不尽さを感じた時に「ああ、疲れたな」とより感じます。 他者に感じるそれは「自分の価値観とそぐわない」理不尽さも多いかもしれません。 それぞれの人は自分なりの道理で動いているのに私自身の価値観とひどく合わないと「何でそうなるのだろう」と心がモヤモヤしてしまいます。 試験に答えがあった学生時代に身につけてしまったことなのか、納得できないことや答えが明確にならないことを飲み込むのは消化不良をおこしそうになります。口では「理解できないこともある。」と言っていても頭のどこかで拒絶してしまう感じです。 そして繰り返し思い返してしまう。それでも「そのままのこと」を受け入れるよう一呼吸置くことができるようになっている。そして理不尽さをエネルギーに転換して表現できる方法を身につけたことは大きな宝物だと思っています。
4月カレンダー「たんぽぽ」 宝物と言えばもう一つお話をしたいと思います。 介護保険施設で働いていた時から入所者さんと話すことが好きでした。 仕事の合間、特に夕方のシフトチェンジ前の時間はリーダーが夜勤者に申し送りをしていてフロア内は仕事も終わりのんびりした雰囲気になります。その時に食堂のテーブルに座って何気ないお話をするのです。 私は中高度認知症専門の棟にいたので、今でいうレビー小体型認知症の方もいました。その方がよくお茶を入れてくれるのです。 もちろん茶器も茶碗もありません。その方だけに見えるお茶セットです。それをいただきながら昔のお話を聴く。 ある時は「ラーメンを食べに行く」と歩いている方とどんなラーメンが好きかというお話をする。 今の職場(高齢者通所介護)でも、時間があれば日常生活の相談などしてしまいます。例えば「晩ご飯に何をつくったらいいでしょうね。」と話すと「毎日だと大変よね。」と人生の先輩が気遣ってくれます。 いつも同じ話の繰り返しになる方もいますが、時々「おっ、これは今まで聴いたことがない!」という内容が出てくるとついつい「その先」を聴きたくなります。話し方や仕草がとても好きな方もいます。歩くのも大変でトイレに行くのも一苦労。でも自分一人で動けることが大切なので何とか移動します。見守りで側にいるのですが「本当に(トイレも)めんどうくさい。」とおっしゃられる。「本当にそうですね。」と相槌をうつと「本当だよ」と返してくれます。 その口調がなんとも味があって「好きだな」と思ってしまいます。認知症が進み言語的には会話がかみ合わない方も、目と目が合って笑いあってしまうこともあります。最近このようなやり取りをとても大切に感じ、思い起こすことも多くなってきました。 ある時レクリエーションで行っている「絵画レク」を見学にきた女性が初任者研修(旧ヘルパー2級)を終えた若い人を連れてきました。「介護の仕事は大変だけどきらりと光る宝物のように楽しい瞬間があるよ。」とその若者に話すと、その女性が「この仕事を10年以上続けている人はその宝物の魅力を知ってしまった人なのよね。」と返してくれました。 確かにと思います。その宝物はそれぞれ違うと思いますが、「~~だからやめられない!」という話はあちらこちらで耳にします。 年齢を重ねるにつれ体力的に大変になってきていますが、やはり現場はやめられない!という思いです。
3月の壁絵 「春の宴」 奈良ではそろそろ梅が咲く頃でしょうか。いや、もう桜かも。 こちらは2月下旬から沢山雪が降り(!)一面雪景色で気温も低いですが、日差しが暖かくなってきて鳥のさえずる声に春は近いと感じるようになってきました。 北海道も新幹線が開通です。ぜひご一家で遊びに来てください。 2016年3月4日 中村明子