気持ちを伝えたり、気分転換したり…みんなの幸せの作り方、聞いてみました。
考えたことも気にしたこともなかった。
『ボクの幸せは、家族です』とか言うと、普通にかっこいいんだろうが、これは当然のこととして、ボクの幸せは、やはり歌うこと、かな。
信州に生まれ育ち、東京を経由して奈良へ、何と気がつけば35年になる。
この間、「わたぼうしコンサート」のうた歌いとして1,500ヵ所を超える日本各地で、およそ200万人の人たちと、障害のある人たちの詩をとおして思いをともにしてきた。
これが高じてか最近は、奈良県内の老人ホームやデイサービスでお年寄りたちと唱歌や童謡、昭和歌謡をいっしょに歌う「やすらぎホームコンサート」なるものを行うことがライフワークとなっている。
音楽はいいね。
歌うことは自分も幸せになれるし、聴く人も幸せになれる。
歌うこと、聞くことの輪が広がれば、幸せの輪も広がるし、度合いも大きくなる。
生涯一歌手、今はこれがボクの合言葉。
ボクの歌を待ってくれている人が一人でもいるうちは、歌い続ける・・・。
とかなんとか言っちゃったりなんかして、実は、もう一つ小さな幸せの工夫がある。
料理、と言えば聞こえがいいが、ひまつぶしの道楽で、口にできるものをよく作る。
梅干しとからっきょとか、最近は温泉たまごとか煮たまごとか、何故かたまご料理に凝っている。
ま、たいしたものは作らないが、簡単なものでも成功したときの喜びはひとしおである。
基本、人にはあげない、自分が食べる。
失敗したときでも、試みた自分を褒めてあげるようにしている。
そうだ、おととい釣ってきた明石蛸、今日は胡瓜とあえて酢の物にでもしよっと。
【執筆者】
酒井靖
【よみ】
さかいやすし
【自己紹介文】
生涯一歌手。
1959年、長野県塩尻市生まれ。高校卒業後上京し、放送芸術の専門学校に通いながら、プロの歌手を目指す。
障害のある人が書いた一編の詩と出会ったことがきっかけとなり、奈良へ。
一般財団法人たんぽぽの家 エグゼクティブディレクター
わたぼうしコンサート・音楽祭事務局長、奈良たんぽぽの会事務局長