桜の咲くこの季節に思い出す言葉です
今年は桜の開花が早いですね。
卒園式や卒業式、離任式、入学式、入社式など、節目の儀式をよく目にします。出会いと別れの多いこの季節、ふと思い出すのは、「一期一会」という言葉です。
一期一会という言葉を、私が印象深く記憶したのは、小学校の卒業式の日のことです。式前に、担任の先生が「世の中は一期一会、とにかく、大切にしなさい。一期一会です。」と繰り返し話してくださっていました。どうやら私は、一期一会って初めて聞くけど、そんなに大切な言葉なんだな、と思っていたようです。
皆さんは、一期一会ってどういった場面で使いますか?
使う人、受け取る人によって意味が異なってくる言葉だと感じます。この出会いは一度きりかもしれないから、大切に丁寧に向き合いなさい、というような戒めの意味合いで使われていることが多いでしょうか。
新明解四字熟語辞典(三省堂)によると、「一生に一度だけの機会。生涯に一度限りであること。生涯に一回しかないと考えて、そのことに専念する意。もと茶道の心得を表した語で、どの茶会でも一生に一度のものと心得て、主客ともに誠意を尽くすべきことをいう。千利休の弟子宗二の『山上宗二記(やまのうえそうじき)』に‘一期に一度の会’とあるのによる。‘一期’は仏教語で、人が生まれてから死ぬまでの間の意。」です。
英語では、「a once in a lifetime」と表現するそうです。直訳すると「人生において一度」ですね。
小学生だった当時は、「よくわからないけど、大切なことなんだ。よし、ひとつひとつ大切にするぞ」なんて、力んだ気持ちを感じていたように記憶しています。以来、一期一会と聞くと、襟を正して改まるような、そんな印象がありました。それから30年ほど経った今は、一期一会とは、「出会いは別れの始まりである。人間関係や物ごとに執着するな、肩の力を抜いて、水のように流れていよう」というような意味合いに感じます。
もう4月はすぐそこです。どなたさまも、新しい季節を楽しんで過ごせますように。
[執筆者]
みわ ともこ
[プロフィール]
夫と小さなこどもとの3人暮らし。元ソーシャルワーカー、子育て楽しみ中。アラフォーママのための、こころとからだをケアするサロンあろままlife with aroma主宰。自然の恵みをめいっぱい感じながら、誰もが今より幸せな気持ちで暮らせるあたたかな社会を。