奈良といえば、飛鳥、古代。でも、人はもっと古くから住んでいたんだ! そんなわけで今回は縄文の本。古代よりも古い奈良を。
縄文LIFE 古代よりも古い奈良
先日、天理参考館で『縄文時代の天理』展を見てきました。そうか!奈良といえば、飛鳥、古代。でも、人は、もっと古くから住んでいたんだ!、ってあたりまえか。そんなわけで、今日は縄文の本を。
縄文といえば、花形はやはり土偶しょ。『はじめての土偶』は、奈良女子大の武藤康弘先生の監修の下で、京都に住むライターの誉田亜紀子さんが執筆。国宝から名もなき土偶まで70点をピックアップ。「ほっぺもボインもボリューミー」、「黄昏(たそがれ)人か、ただの体育座りか」など、ひとつひとつの土偶に愛情たっぷりのツッコミが。
★ちなみに、わたしの本は誉田さんの生サイン本。かっこいい大人美女の方で、実にドキドキしました。
『縄文人の祈りと願い 』は奈良大学の先生が縄文研究最前線を語り合った本。土偶だけでなく、あまり知られていない土面(仮面)の意味なども大胆に解読。ムンクの叫びのような面は、いったい何の目的で作られたのか。縄文人のこころは? 想像力をたくましくして楽しめる1冊です。
『奈良大和高原の縄文文化・大川遺跡』は、三重県との県境に位置する山添村の大川(おおこ)遺跡を紹介したブックレット。まじめそうな本ですが、土器や石器の写真やグラフたっぷり盛り込んでいて読みやすいです。この遺跡は縄文初期もので、人が定住を始めた頃のようすが分かるとか。「石蒸し料理」の窯跡も発掘!いったい、どんな味がしたんでしょうか。
実践したくなったら、『縄文人になるー縄文式生活技術教本』。三重で実際に縄文暮らしをしていたおじさん、山崎三四造さんの元に著者の関根秀樹さんが弟子入り。火をおこし、弓矢を作り、土器をつくり、縄文ワインを作り…。でも、関根さんいわく、住居は寒くて「おちおち寝ていられない状況だった」とか!
★この本は2002年の出版の本で、残念ながら三四造さんは引退してしまい、絶版になっていたのですが、昨年めでたく文庫で復刊。いまなお読み継がれている人気の本です。
さあ、みなさまも縄文の世界に! には、おもしろい人が集まり、おもしろいことが起きる。株価の上昇とは関係ない、しあわせの法則があるようです。
【この原稿は、奈良の地域マガジン『さとびごころ』http://satobigokoro.org/から提供いただき再掲したものです。】
『はじめての土偶』 世界文化社 武藤康弘(奈良女子大学教授) (監修). 譽田亜紀子 (取材・文)
『縄文人の祈りと願い 』(奈良大ブックレット)ナカニシヤ出版
『奈良大和高原の縄文文化・大川遺跡 』松田真一/著 新泉社
『縄文人になる! 縄文式生活技術教本』関根秀樹/著 ヤマケイ文庫
[執筆者]
嶋田貴子
[プロフィール]
2002年より奈良暮らし。図書館司書を経て、奈良の地域マガジン『さとびごころ』の編集&執筆に携わる。 あちこち出かけて、見たり、知ったり、食べたりすることが好き。そして、志のある人に出会って、お話を伺うのも大好き