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最近よく目にする「二十四節気・七十二候」を冠した本。一年を二十四節気は二十四等分、七十二候は七十ニ等分することによって、四季の中…

こよみと暮らす 二十四節気・七十二候
このところ目にするのが、「二十四節気・七十二候」を冠した本。一年を二十四節気は二十四等分、七十二候は七十ニ等分することによって、四季の中の自然のうつろいを微細にとらえることができます。たとえば、お盆の頃の五日間は、二十四節気の「立秋」の中の「寒蝉鳴」(ひぐらしなく)とされています。

このブームの口火を切ったのが詩人の白井明大さんの『日本の七十二候を楽しむ』。七十二候の解説とともに、旬の草花や食物、詩や俳句の紹介がくわえられていてます。じんわりしたあたたかみのイラストが添えられており、心がなごむ1冊。

『二十四節気で楽しむ庭仕事』は、農薬をつかわない病害虫対策を実践する“オーガニック植木屋”を営むご夫婦の手によるもの。その季節ならではの庭仕事の様子とともに、嫌われ者の害虫に愛情を注いで執筆されているところがこの本ならではの特徴です。

『きょうの料理 七十二候』は、放送作家・小山薫堂さんの監修で、この料理番組56年の歴史の中から、七十二候、三百六十日分のレシピをピックアップ。真夏には「たこときゅうりの二杯酢」のみならず、「赤ピーマンのマリネ」「にんにくのスタミナカレー」など今どきのお料理も多数。食卓の可能性を感じさせてくれる、新鮮で楽しい1冊です。

ほんとうは、もっと、たくさんの本を紹介したい!でも、載せきれません。どの本にも、著者ならではの視点、そして、自然とともに生きることの楽しさ、風土への愛着が伝わってきて、心が動くものばかり。ぜひ、書店、図書館で手に取ってみてください。そして、身のまわりの、生き物たちの息吹、気候のこまやかな変化を感じてみてください。ひょっとすると、あなた自身が、あなたの住む場所から、暮らしのこよみを作ってみたくなるかもしれません。

【この原稿は、奈良の地域マガジン『さとびごころ』http://satobigokoro.org/から提供いただき再掲したものです。】

日本の七十二候を楽しむ ―旧暦のある暮らし 白井 明大/著 有賀 一広/絵 東邦出版

二十四節気で楽しむ庭仕事 曵地トシ、曵地義治/著 築地書館

きょうの料理 七十二候  小山薫堂/監修 講談社 [執筆者] 嶋田貴子 [プロフィール] 2002年より奈良暮らし。図書館司書を経て、奈良の地域マガジン『さとびごころ』の編集&執筆に携わる。 あちこち出かけて、見たり、知ったり、食べたりすることが好き。そして、志のある人に出会って、お話を伺うのも大好き