ここ20年ほどで爆発的に増えた野生のニホンジカ。鹿たちのつぶらな瞳を見ると複雑な気持ちになりますが…。シカとヒトとのあり方、目が離…
神さまをはこぶ鹿、ヒトと共に生きるシカここ20年ほどで爆発的に増えた野生のニホンジカ。日本中の農林業が大きな被害を受けているそうです。(※1)
それ以来、野生動物との共生の観点から狩猟の世界に飛び込む若者が増えたり(※2)、
地産地消やまちおこしとして、ジビエをメニューに取り入れたり、加工肉販売のお店も目立つようになりました。(※3)
天然記念物であり、神様のお使いである奈良公園の鹿に、格別の親しみと敬意を持つ奈良県でも、生態系への変化を指摘する声が高くなりました。(※4)。
県は今年に入り、奈良市内全域に渡っていた保護エリアを見直したり、女子大生が結成した「ハンティングサークル」の、ジビエ料理で山間部を盛り立てるという政策提案を予算化してきました。鹿たちのつぶらな瞳を見ると複雑な気持ちになりますが、シカとヒトとのあり方、目が離せない状況です。
1『シカ問題を考える バランスを崩した自然の行方 』高槻成紀/著 ヤマケイ新書 全国的な被害状況説明と動物学者の立場からのシカの生態解説。手に取りやすい1冊。
2『けもの道の歩き方』千松信也/著 リトル・モア 『ぼくは猟師になった』で狩猟ブームの草分けとなった著者の第二弾。生活の営みの一部としての、ごくあたりまえの猟を目指す著者の姿が印象的。
3『料理人のためのジビエガイド』神谷英生/著 柴田書店 解体、仕入れから本格フレンチレシピまで、ジビエ実践入門。うつくしい写真の数々に、なにやら、せつなくもあり。
4『世界遺産春日山原始林 照葉樹林とシカをめぐる生態と文化』前迫ゆり/著 ナカニシヤ出版 のんきげな風景にひそんでいる危機。守るべきものは何? 【この原稿は、奈良の地域マガジン『さとびごころ』http://satobigokoro.org/から提供いただき再掲したものです。】
『シカ問題を考える バランスを崩した自然の行方 』高槻成紀/著 ヤマケイ新書
『けもの道の歩き方』 千松信也/著 リトル・モア
『料理人のためのジビエガイド』 神谷英生/著 柴田書店
『世界遺産春日山原始林 照葉樹林とシカをめぐる生態と文化』 ナカニシヤ出版 前迫ゆり/著
[執筆者]
嶋田貴子
[プロフィール]
2002年より奈良暮らし。図書館司書を経て、奈良の地域マガジン『さとびごころ』の編集&執筆に携わる。
あちこち出かけて、見たり、知ったり、食べたりすることが好き。そして、志のある人に出会って、お話を伺うのも大好き