あなどれない、こどもの本。絵や写真が豊富で解説も的確。さくっと頭に入ってきます。今回は、森と川のえほんを選んでみました。
えほんで楽しむ「森と川」
情報がぐるぐる高速で飛び交うご時世。ぼんやり知っているようで、でも理解にほど遠いことだらけ。そんな時、あなどれないのがこどもの本。絵や写真が豊富で解説も的確。さくっと頭に入ってきます。今回は特集に合わせて、森と川のえほんを選んでみました。暑い夏の息抜きにどうでしょうか。
『日本の材木 杉』 <気になる日本の木>
ゆのきようこ/文 阿部信二/絵 理論社
杉発見ツアーへの招待状が届きました。四角いお顔の杉田杉子なるガイドさんが、杉の使いみちや林業の様子を、時間の旅をしながら解説。吉野杉の酒樽も登場します。同乗のお客様は、古代人や戦国武将。各ページに書き込まれた登場人物を、『ウォーリーをさがせ』のように探しながら遊べる1冊です。
『かわ』 鈴木のりたけ/作・絵 幻冬舎
川には、どんな魚たちが住んでいるんだろう?渓流、上流、池、沼、用水路など、場所別に、そこに棲む魚のすがたを描いています。魚の名前と、ポイント解説つき。作者は、リアルというのかシュールで大胆なタッチが特徴で、こどもたちに大人気です。
『よどがわ』<日本の川>
村松昭/さく 偕成社 大津に住む赤鬼と男の子がびわこの源流を出発。川をパノラマのように俯瞰しながらよどがわに下っていきます。鉄道や地名、空を飛ぶ鳥、そしてご当地エピソードが書き込まれています。途中には歴史絵巻や、ダムや水門の解説も。奈良時代には、瀬田川、宇治川、木津川を通って、奈良の都に材木が運ばれていたそうです。大和川や吉野川の本もあったら楽しいだろうなあ!
【この原稿は、奈良の地域マガジン『さとびごころ』http://satobigokoro.org/から提供いただき再掲したものです。】
『日本の材木 杉』 <気になる日本の木>
ゆのきようこ/文 阿部信二/絵 理論社
『かわ』 鈴木のりたけ/作・絵 幻冬舎
『よどがわ』<日本の川>
村松昭/さく 偕成社
『森のいのち』 小寺卓矢/文・写真 アリス館
[執筆者]
嶋田貴子
[プロフィール]
2002年より奈良暮らし。図書館司書を経て、奈良の地域マガジン『さとびごころ』の編集&執筆に携わる。 あちこち出かけて、見たり、知ったり、食べたりすることが好き。そして、志のある人に出会って、お話を伺うのも大好き