15年前にスタートした「ケアする人のケア」の研究事業。立ち上げ当初に出会った二人がそれぞれの気づきや成長を語り合うコラム。北海道の…
奈良の森口さんへ
こんにちは。北海道の中村です。こちら(北海道は)やっと残雪が無くなり、雪に混じっていたほこりが大量に空を舞っています。その中でクロッカスや福寿草、ふきのとうが顔を出してきました。
この度は「とんぼ玉」のこいのぼりセットを購入いただきありがとうございました(笑)。
確かにこれは介護施設向きにつくったものです。しかしながら森口さんに「親子でつくってみる。」と注文いただいた時に、「あぁ、このセットは誰でも楽しめるものだな。」と気がつきました。
写真拝見し親子のコイのかわいらしさやそれぞれの個性がとても出ていて、森口親子の様子が目に浮かぶようでした。壁絵になってコイが並んで泳いだ時、また違った味わいが出そうで楽しみです。
森口さんとお会いしたのが今から10年ほど前。
あの時の私は父をがんで亡くし軽いバーンアウト気味で、介護施設で働く事がとても辛い時期でした。「死にたい」と言う入居者の方に怒りを覚えたり、イライラや落ち込みがあって「このままではいけない・・・! ケアする人をケアしてくれるところは無いか?」とネット検索したのです。
その時にヒットしたのがたんぽぽの家さんの「ケアする人のケア」でした。
藁をもつかむ思いで事務局にメールし、対応してくださったのが森口さんでしたね。メールをやり取りし、奈良に直接お伺いして(!)、ケアする人のケアの冊子や本を読みあさり、研修会にも参加しました。あの時のパワーは何だったのだろうと今ふっと思います。それからケアする人のケアやアートと福祉などが私の中での一つのキーワードとして定着したような気がします。
もともと物つくりが好きでした。ケアする人のケア研修会で「セルフケア」の概念に出会ったとき、保健師の学生時代「住民のセルフケア」については勉強したくせに自分のセルフケアについては思ったこともなかったのでびっくり(苦笑)。
自分のセルフケアについて考えた時、大好きな物つくりをしようと決めました。
早速陶芸教室の扉をたたき、手織り教室にも参加。仕事と並行して作品作り没頭し、時間の経過と共に自分の中で気力が戻ってくるのを感じました。
「物を作る力ってすごいかも。」
この意見で意気投合したのが一緒にとんぼ玉を立ち上げた友人です。
福祉業界で働いていた彼女とはご縁があってお話するようになり、「いつかアートや物つくりを福祉の現場で生かすことができたらいいね。」と小さな喫茶店でコーヒーを飲みながら話ました。それがとんぼ玉の原点です。
同じ職場(デイサービス)で働くことになった彼女と黙々と制作アクティビティをして10年。利用者の方々と沢山の作品を作ってきました。その一部をブログで紹介しています。そんな中とあるグループホームの方の一言で・・・・・。
【執筆者】
中村明子
【自己紹介】
アートアクティビティ創作工房 とんぼ玉