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NVCとは非暴力コミュニケーション。すなわち、誰にも暴力的でなく存在を大切にされる対話とは何なのか。対話が対立や評価から思いやる機会…

序文には、ガンジーの孫の、M.K.ガンジー非暴力研究所所長/創設者のアルン・ガンジー氏の印象深い言葉がありました。

「世界が変化するのを見たいのであれば、自分がその変化になる」
「非暴力のすばらしさは、その実践を通じて前向きな態度が身につき、それまでの否定的な態度は姿を消すところにある」
「ネガティブなコンセプトからは、争いのない家族、共同体、社会、国を築くことはできない」
「非暴力な実践とは、あなたの内にあるポジティブな力を解放することだ」

本来、人は生まれながらにして、他者を思いやり与えたり、与えられたりすることで“生”を楽しむはず。なのに多くのコミュニケーションが、“道徳”をふりかざして人を裁くことが目的になってしまっています。正しいかどうか、まちがっているかどうかという発想しかなく、評価し、それを押し付ける世界だ、ともこの本に書かれています。

また、次のようなことも言っています。 『くれぐれも「価値観にもとづいた判断」と「道徳にもとづいた判断」を混同しない』 自分の価値観を道徳として、相手を裁くことをしてしまっているのではないかと。
何がどう影響して人への思いやりが失われたのか、とどのつまりどのようなコミュニケーションをとれば、つまりどのようにコミュニケーションをとれば、人が本来持っている人を思いやろうとする気持ちを引き出せるのか、心から与えることが出来理解しあえるのか。

そのコミュニケーションのプロセスであるNVCのプロセスには、以下の4つのプロセスがあります。

観察:自分の人生の質を左右する具体的な行動を観察する
感情:観察したことについて感情を抱く
必要:感情を生み出している、価値や願望など必要としていることを話す
要求:人生を豊かにするための具体的に行動を要求する この原則に忠実である限り、相手を思いやって与え、受取ろうとするものである限り、やがては心を通い合わせるということ。

NVCは、私たちに本来備わっている力―人を思いやる気持ちを引き出すことで、自分自身と自分以外の人々との交流を容易にするようです。深く耳を傾ける力と、尊敬したり共感したりする力を伸ばし、心の底から与えたいという気持ちを引き出すのがNVC。

自分自身を受け入れ、人との絆を深めるために、仕事や政治の領域で効果的な人間関係を築くためにNVCは効果的です。そして、世界各地の様々な紛争や対立に和解をもたらす方法として多くで認知されています。

是非この本を通して、人とつながった時、また自分自身と深くつながったとき、我が家に帰ってきたような安心感のようなからだがホッとする体感を味わってもらいたいです。

本来の自分に立ち戻り、自分自身が必要としていることにつながったとき、つながりを通して互いの人生に貢献できた時、えも言われぬ幸せな気分になることを、この本は語りかけてくれていて、それは今までにない魂がいきいきと喜ぶ、素晴らしい人生を教えてくれています。
日本経済新聞出版社より発売中

[執筆者]
なかたにみさこ

[プロフィール]
ひとまち元気カンパニー代表。大阪から奈良に移って20年。山間部をはじめ“人が元気なまちづくり”をテーマに“地域福祉”の視点から、地域に必要な主体的に動く人財の養成、住民が主体のまちづくり計画策定、そして主体的に人がまちづくりに関われるシステムづくりに携わる。趣味は飲み会計画♪