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もしバナゲームは「人生の最期にどうありたいか」をみんなで話し合うカードゲームです。

もしバナゲーム体験


 2023年6月14日(水)にわたぼうしの家ホールにて、「もしバナゲームを体験しよう!」を行いました。講師はフリーの看護師で、Chiyomi Kubota Care研究所を立ち上げ、看護師の枠組みを超えてACPに関する活動等、さまざまな活動に取り組んでおられる、もしバナゲームマイスターの久保田千代美さんです。「縁起でもない話を もっと身近に」をキーワードに、”自分の人生のさいごに、どう在りたいか”を語り合うことを目的に開催しました。
 もしバナゲームは「人生の最期にどうありたいか」をみんなで話し合うカードゲームです。「あらかじめ葬儀の準備をしておく」「親友が近くにいる」「いい人生だったと思える」等、人生の最期に希望する事柄を36枚のカードの中から選び、その理由について話し合うゲームです。

参加したスタッフの感想


 当日は障害のあるメンバーと普段ケアに関わるスタッフが参加し、幅広い世代で意見を交換することができました。参加してみて、ゲームであるとは言っても私自身どのカードを選ぶかを真剣に悩みました。そして、人によって望むさいごは本当に千差万別であることを実感し、だからこそ『身近な人の気持ちや想いを聞いておきたい、私自身の気持ちも伝えておきたい』と考えるようになりました。自分の考えを整理するためにも、定期的にこのような機会を持ちたいです。(長嶺千佳)


 私は闘病の末に逝去された方を福祉ホームで見送った経験が大きなきっかけとなり、今回のワークショップに参加しました。高齢期にさしかかった方も多い福祉ホームでの生活支援を通し、これまでもここで生活される方々の今後をどう支えられたらよいかと漠然とした思いを抱いていましたが、看取りを経て、どのような最期を迎えたいか、それまでの間にどのような生き方をしていきたいかを元気なうちから考えておくことが大切だと強く感じるようになりました。
 もしバナゲームを体験するまでは、自分の価値観や大切にしていることを可視化して伝えるのは少し気恥ずかしい思いもありました。しかし実際に体験してみると「私の希望を知っている人がいる」ということは安心感につながると実感しました。どうしたいかを考えるだけでなくその意向を周囲に伝えてあり、そしてそれが尊重されるだろうという安心感があれば、最期を迎えるまでの時間もより穏やかで豊かなものにできるのではないかと、ゲームを通して感じました。
 ゲームなので気軽に取り組みやすく、かつ実際に体験してみるとてもよく考えさせられる内容なので、こうしたツールを上手に活用しながら、みんなで「これからのこと」を前向きに話し合っていきたいです。(吉川彩子)


追記:
後日、障害のあるメンバー4人と支援者3名で、もしバナゲームを行いました。ゲームにあたって、カードの見やすさや選択のしやすさのために、小さなホワイトボードと色付きのマグネットを用意しました。小さなホワイトボードは見やすい高さに調整しやすいように、色付きのマグネットはカードを選ぶときにすべての文言を読まなくても支援者に伝えられるように、ということを意識しました。実際に、前回よりはスムーズにゲームが行えました。目線を合わせるために譜面台のようなものを準備すれば尚よかったかなと思いました。